葉酸とは
葉酸は⽔溶性ビタミンであるビタミンB群の⼀種です。
ビタミンB12とともに、⾚⾎球の形成やDNAの合成を助けることから、男⼥ともすべての世代の⼈にとって⼤切な栄養素といえます。
また、胎児の正常な発育にとっても重要な栄養素のため、⼥性は、特に妊娠前から産後にかけて⼗分に摂取することが推奨されています。
なぜ妊娠前・妊娠中に重要なの?
胎児の神経管は、妊娠のごく早い時期に形成が進みます。
この時期に葉酸の摂取が不足すると、神経管閉鎖障害(例:二分脊椎、無脳症)という胎児の先天異常が起こりやすくなることがわかっています。
妊娠初期に血液中の葉酸の濃度を十分に保つためにも、
妊娠前(妊娠1か月以上前)から十分な摂取を心掛けることが大切です。
参考)厚生労働省 e-ヘルスネット「葉酸とサプリメント -神経管閉鎖障害のリスク低減に対する効果」
https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/food/e-05-002
どのくらい摂取すればいいの?
1⽇あたりの摂取の推奨量は、18歳以上の⼥性で240μgとされていますが、妊娠を計画している⼥性、妊娠の可能性がある⼥性、妊娠初期の⼥性は640μgの摂取が推奨されています。
なお、このうち400μgはサプリメントや葉酸が強化された⾷品等、通常の⾷品以外の⾷品から摂取することが望まれます。
また、妊娠中期・後期の⼥性は1⽇あたり480μg、授乳中の⼥性は340μgを通常の⾷品から摂取することが推奨されています。
※ 神経管閉鎖障害の原因は葉酸の不⾜だけではないため、葉酸を⼗分に摂取しても必ず発症を予防できるわけではありません。
参考)厚⽣労働省 ⽇本⼈の⾷事摂取基準(2025年版)
厚⽣労働省 ⽇本⼈の⾷事摂取基準(2025年版)の策定ポイント
葉酸は、ビタミンB12やビタミンB6とともに、ホモシステインというアミノ酸の代謝にも関わっています。
ホモシステインは、メチオニンという必須アミノ酸が代謝される過程でできるアミノ酸ですが、血中で過剰になると動脈硬化や脳卒中、心疾患などのリスクを高めることや、近年では認知症やアルツハイマー病と関連することも報告されています※1、※2。
そのため、葉酸やビタミンB12、ビタミンB6を十分に摂取すると血中のホモシステイン濃度が低下し、これら疾患のリスクの低下につながる可能性があると考えられています。
さらに最近では、軽度認知障害(MCI)への有用性も示唆されています※3。
また、これらの有効性に着目し、大学と共同で葉酸摂取等を介した市民の健康づくりに取り組んでいる自治体もあります※4。
※1 Homocysteine Studies Collaboration. JAMA. 2002 Oct;288(16):2015-22.
※2 Sudha Seshadri et al., N Engl J Med. 2002 Feb 14;346(7):476-83.
※3 Ana M Puga et al., Nutrients. 2021 Aug 26;13(9):2966.
※4 埼玉県坂戸市 さかど葉酸プロジェクト https://www.city.sakado.lg.jp/site/yousan/483.html